シネ☆MAD3rd 感想(3) - こんないい子が地球人のはずない - プラネット☆ラヴ

さてさてシネ☆MAD3rdのご紹介&感想3作目はこちら。
PV:deadblue238P、シナリオ:介党鱈P、デザイン:947daPの3名による合作です。

概要

普通の高校生活を送っていた千早とその同級生の美希。そこにある日転校生がやってきます。彼女の名前は高槻やよい。自分のことを「異星人だ」と説明します。
もちろんいきなりそんなことを言われても信じられるわけがない千早ですが、美希は「それはおもしろいね」とあっさりと受け入れてしまい…。
そんな導入から始まるこの物語。ジャンルとしてはSF…と言うべきでしょうか。いわゆる「ライトノベル」的などこか綺麗なストーリーになっています。

見所

介党鱈Pの各キャラの性格付け、セリフ回し、シナリオ全体と終盤で収束する色々な伏線は見事の一言。
その性格ですが、原作では色々と不幸な事柄が重なり、どこかストイックで堅いイメージのある千早ですが、このお話上では優しい両親と仲のいい友人にかこまれ、明るく、ハキハキ喋り、ボケにはツッコミをいれ、でもどこか生真面目なそんな性格に描かれています。

美希の方はなんというか、どこか悟っているというか、客観的に見れば所謂「変人」と言われてしまいそうな性格で、でも避けられたりするような「変人」ではなく「なんだかわからないけどおもしろい子」というようなイメージです。基本的に千早がツッコミ、美希がボケのコンビですが、全般的に真理を突くのは美希のほうですね。

さて、自称「異星人」であるところの転校生やよいはというと、原作のやよいそのまま、いやさらに素直で綺麗な恐ろしく「いい子」です。彼女は嘘はつきません。自分への好意は素直に受け取り、たとえ危害を加えられても相手のよいところを褒め、足りない部分は自分ですべて何とかしようと限界まで頑張ってしまう、とんでもなく「いい子」として描かれています。そんなやよいが地球に来た目的はと言えば…。

序盤はこういったほのぼのとしたお話が続きますが、そんな中でやよいはこんなことを言うのです。

もちろん異星人なんて信じ切れない千早は一笑に付すのですが…。
各キャラの、特にやよいの発する一言一言は、序盤からすべてが「本当のこと」です。これを心にとめて見てみると色々な発見があるんじゃないでしょうか。
もちろん「そうだったのか!!」というような驚きが欲しい方は頭を空っぽにして1話1話を楽しむのが吉ですね。

感想

笑えて、驚けて、考えさせられ、泣けてしまう、なんというか完璧じゃね?というようなお話です。個人的に一番好きだなあ、今回のシネ☆MAD3rd作品の中では。
PV部分を担当したdeadblue238Pや、一部の立ち絵や一枚絵をかわいく描いた947daPもさすがの一言。
全8話で細かく区切ってあるのもアニメやライトノベル的でいいですね。まあおもしろくてどうせ一気に見ちゃうんですけどw
ちょっと重厚な読み応えのある所謂「SF小説」を期待している方には物足りないかも知れませんが、ちょっとしたSFテイストが入っているジュブナイルライトノベルが好きな方にはちょーおすすめ。いや、かといって軽いお話ではないんですよ?かなり考えさせられるお話だったりしますし。
コメントも序盤はみんな草はやしてたりしてわいわいやってるんですが、中盤からはシリアスな雰囲気になり、終盤では思ったこと感じた事を語り出していたりと、展開に変化があってとてもよくできている、いい作品になっているとおもいます。
ちょっと長いし…と思っても、是非だまされたと思って見てみませんか?万人が100点出すとは言いませんが、8割方の人は90点以上をつけるんじゃないかな、と思うんですよねー。

2009/11/27 1:25 追記

OP単品きました!うれしい!